2025年税制改正まとめ ― 「103万の壁」はこう変わった

2025年(令和7年)分の所得税から適用 最終更新:2026年8月

2025年(令和7年)の税制改正で、いわゆる「103万の壁」が大きく動きました。 このページでは、変わった点と変わらなかった点を表で整理します。 自分の場合の具体的な金額は扶養の壁シミュレーター手取り計算で確認できます。

変わったこと(3つ)

  • 基礎控除が48万円 → 58万円に。さらに所得が低い人には上乗せがあり、合計所得132万円以下(給与収入でおよそ200万円以下)なら95万円になります。
  • 給与所得控除の最低保障が55万円 → 65万円に
  • 「特定親族特別控除」が新設。19〜22歳の子どもがいる親は、子どものバイト収入が150万円までなら従来どおり63万円の控除を満額受けられます(188万円まで段階的に縮小)。

※基礎控除のうち、合計所得132万円以下の95万円は恒久措置です。それを超える所得帯への上乗せ(88万〜63万円)は2025年・2026年分限定で、2027年分からは58万円に戻ります。

新しい「年収の壁」一覧(給与収入ベース)

意味改正前改正後
106万円勤務先の社会保険に加入(対象企業の場合)106万変わらず
110万円前後住民税がかかり始める目安(自治体による)100万前後110万前後
123万円配偶者控除の対象になる上限103万123万
130万円家族の社会保険の扶養から外れる130万変わらず
150万円19〜22歳の子:親の控除63万円が満額の上限103万150万
160万円本人に所得税がかかり始めるライン103万160万

※社会保険の壁(106万・130万)は今回の税制改正の対象外です。なお2025年に成立した年金制度改正法により、 106万円の賃金要件や企業規模要件は今後数年かけて段階的に見直される予定です。

結局、税金の壁より「社会保険の壁」が先に来る

所得税の壁が160万円まで上がったことで、パート・アルバイトの実質的な最初の壁は 106万円または130万円の社会保険の壁になりました。 社会保険は税金と違って「超えた分だけ払う」のではなく、 加入した瞬間に年収の約15%の保険料が発生するため、手取りの落ち込みが大きいのが特徴です。 たとえば130万円の壁を少し超えただけの場合、手取りの回復には 年収161万円前後まで働く必要があります(詳しくは扶養の壁シミュレーターで試算できます)。

ケース別の目安

大学生(19〜22歳)のアルバイト

  • 150万円まで:親の控除は満額63万円のまま。本人の所得税も0円
  • 150万〜160万円:親の控除が段階的に減る。本人の所得税はまだ0円
  • 160万円超:本人にも所得税が発生
  • 注意:130万円を超えると学生でも親の社会保険の扶養から外れ、国民健康保険・国民年金の負担が発生します。税金より先にこちらの壁が来ます

配偶者(パート)

  • 123万円まで:配偶者控除の対象(従来の103万円から拡大)
  • 約160万円まで:配偶者特別控除で実質同額(38万円)の控除が続く
  • 106万円/130万円:社会保険の壁はそのまま。世帯の手取りへの影響はこちらの方が大きい

いつから適用?

2025年(令和7年)分の所得税から適用されています。 給与をもらっている人は2025年12月の年末調整(または2026年提出の確定申告)で反映されます。 当サイトの手取り計算年収別早見表は改正後の控除額で計算しています。

よくある質問

103万の壁は完全になくなったのですか?
所得税に関しては160万円まで上がりました。ただし社会保険の壁(106万円・130万円)は残っているため、「働き損」のラインが消えたわけではありません。世帯の手取りで考える場合は社会保険の壁の方が重要です。
大学生の子どもはいくらまで稼いでも大丈夫?
親の控除(63万円)を満額維持できるのは年収150万円までです。ただし130万円を超えると親の社会保険の扶養から外れて本人に保険料負担が発生するため、実質的な上限を130万円と考える家庭が多いです。
住民税はいくらからかかりますか?
給与収入でおよそ110万円前後から発生します(非課税限度額は自治体や扶養状況によって異なります)。住民税は所得税と控除額が異なるため、所得税が0円でも住民税だけかかる年収帯があります。
この改正はいつまで続きますか?
基礎控除58万円・給与所得控除65万円・特定親族特別控除は恒久措置です。基礎控除の上乗せのうち合計所得132万円以下の95万円も恒久ですが、それより上の所得帯への上乗せ(88万〜63万円)は2025年・2026年分限定です。

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