公開:2026年9月6日 執筆:もりそん 計算の根拠:計算根拠・出典一覧
配偶者控除と配偶者特別控除は名前が似ていますが、対象になる配偶者の収入の範囲が違う、いわば「続きもの」の制度です。 2025年(令和7年)の税制改正で境目の金額が動いたため、古い「103万円」の感覚で年末調整をすると控除を取り損ねます。 この記事では改正後の金額表と、社会保険の壁との関係を整理します。世帯の手取りは扶養の壁シミュレーターで試算できます。
結論:配偶者の給与123万円までが「配偶者控除」、それを超えると「配偶者特別控除」に切り替わる
- 配偶者控除:配偶者の合計所得58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)。控除額は所得税38万円・住民税33万円(70歳以上の配偶者は48万円・38万円)
- 配偶者特別控除:配偶者の合計所得58万円超〜133万円以下(給与収入123万円超〜201.6万円以下)。控除額は配偶者の所得に応じて38万円から3万円まで段階的に減る
- どちらも控除を受ける本人の合計所得が1,000万円以下(給与収入約1,195万円以下)であることが条件。900万円を超えると控除額が減る
配偶者の年収別・控除額の一覧(本人の所得900万円以下の場合)
| 配偶者の給与収入 | 配偶者の合計所得 | 控除の種類 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|---|---|
| 〜123万円 | 〜58万円 | 配偶者控除 | 38万円 | 33万円 |
| 123万円超〜160万円 | 58万円超〜95万円 | 配偶者特別控除 | 38万円 | 33万円 |
| 〜165万円 | 〜100万円 | 配偶者特別控除 | 36万円 | 33万円 |
| 〜170万円 | 〜105万円 | 配偶者特別控除 | 31万円 | 31万円 |
| 〜175万円 | 〜110万円 | 配偶者特別控除 | 26万円 | 26万円 |
| 〜180万円 | 〜115万円 | 配偶者特別控除 | 21万円 | 21万円 |
| 〜185万円 | 〜120万円 | 配偶者特別控除 | 16万円 | 16万円 |
| 〜190万円 | 〜125万円 | 配偶者特別控除 | 11万円 | 11万円 |
| 〜約197万円 | 〜130万円 | 配偶者特別控除 | 6万円 | 6万円 |
| 〜201.6万円 | 〜133万円 | 配偶者特別控除 | 3万円 | 3万円 |
| 201.6万円超 | 133万円超 | なし | 0円 | 0円 |
給与収入は給与所得控除(65万円、190万円超は収入×30%+8万円)で所得から換算した目安。配偶者に給与以外の所得があれば所得の欄で判定します。
表のとおり、配偶者の給与が160万円までは控除額38万円で変わりません。「123万円を超えると損」ではなく、超えた瞬間に名前が配偶者特別控除に変わるだけで、金額は同じです。 つまり税金の面では、配偶者の年収を123万円で止める理由はありません。
本人の所得が高いと控除が減る
| 控除を受ける本人の合計所得 | 本人の給与収入の目安 | 配偶者控除(一般) | 配偶者特別控除の満額 |
|---|---|---|---|
| 900万円以下 | 〜1,095万円 | 38万円 | 38万円 |
| 900万円超〜950万円 | 〜1,145万円 | 26万円 | 26万円 |
| 950万円超〜1,000万円 | 〜1,195万円 | 13万円 | 13万円 |
| 1,000万円超 | 1,195万円超 | 0円 | 0円 |
税金の壁より先に来る「社会保険の壁」
配偶者控除の境目(123万円)や特別控除の縮小(160万円〜)は、世帯の手取りにはさほど響きません。控除38万円に対する税の軽減額は、本人の税率が10%+住民税10%なら年約7.6万円で、 しかも160万円までは減りません。一方、配偶者が社会保険の扶養から外れる130万円(勤務先の規模によっては106万円)を超えると、 配偶者本人に年15〜25万円の保険料負担が生じます。世帯で見れば、気にするべきは税金の壁ではなく社会保険の壁です。 金額の比較は扶養の壁シミュレーターで、壁の全体像は2025年税制改正まとめで確認できます。
年末調整での書き方
- 「給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 …」の配偶者の欄に、配偶者のその年の見込み収入と所得を書く。給与のみなら収入−給与所得控除65万円(190万円以下の場合)
- 本人の合計所得の区分(900万円以下/950万円以下/1,000万円以下)にチェックを入れる。ここで控除額が決まる
- 見込みと実際がずれて控除額が変わった場合は、翌年の確定申告(5年以内)で訂正できる
- 配偶者が青色事業専従者給与を受けている、または白色の事業専従者の場合は、どちらの控除も受けられない
配偶者側の税金はどうなるか
配偶者本人の所得税は、2025年改正で給与収入160万円まで非課税(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)になりました。住民税は自治体により給与100万〜110万円前後からかかります。 配偶者の年収別の手取りは年収別早見表の100万〜200万円のページで、時給からの換算は時給・年収換算ツールで確認できます。
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よくある質問
配偶者控除と配偶者特別控除は何が違うのですか?
対象になる配偶者の所得の範囲が違います。配偶者控除は配偶者の合計所得58万円以下(給与収入123万円以下)で控除額38万円。配偶者特別控除はそれを超えて133万円以下(給与収入201.6万円以下)の場合で、配偶者の所得に応じて38万円から3万円まで段階的に減ります。給与収入160万円までは控除額38万円で変わりません。
配偶者の年収が123万円を超えると損ですか?
税金の面では損になりません。123万円を超えると控除の名前が配偶者特別控除に変わるだけで、控除額は160万円まで38万円のままです。それ以降も段階的に減るだけで、超えた分の収入を上回る税負担は生じません。世帯の手取りが大きく減るのは、配偶者が社会保険の扶養から外れる130万円(または106万円)を超えたときです。
本人の年収が高いと配偶者控除は使えませんか?
控除を受ける本人の合計所得が1,000万円(給与収入約1,195万円)を超えると、配偶者控除・配偶者特別控除のどちらも受けられません。900万円超〜1,000万円の間は控除額が26万円・13万円に段階的に減ります。