iDeCoの節税は「所得控除」の仕組み
iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除として 課税所得から差し引かれます。課税所得が減れば、所得税と住民税がその分軽くなります。 節税額の目安は「掛金の年額 ×(所得税率+住民税10%)」です。
| 年収 | 月23,000円拠出の節税額/年 | 30年続けた場合 |
|---|---|---|
| 300万円 | 約41,000円 | 約124万円 |
| 500万円 | 約55,000円 | 約166万円 |
| 700万円 | 約83,000円 | 約249万円 |
| 900万円 | 約90,000円 | 約270万円 |
※ 独身・東京都の概算。実際の金額は上のシミュレーターでご確認ください。
職業別の掛金上限
| 加入区分 | 月額上限 | 年額上限 |
|---|---|---|
| 自営業・フリーランス(第1号) | 68,000円 | 816,000円 |
| 会社員(企業年金なし) | 23,000円 | 276,000円 |
| 会社員(企業年金あり) | 20,000円 | 240,000円 |
| 公務員 | 20,000円 | 240,000円 |
| 専業主婦(夫)(第3号) | 23,000円 | 276,000円 |
※ 上限額は制度改正で変わることがあります。最新の金額はiDeCo公式サイトでご確認ください。
iDeCoの最大の制約です。住宅購入・教育費・急な出費には使えません。 生活防衛資金と、途中で使うかもしれないお金(NISA向き)を確保したうえで、 老後まで確実に触らない金額だけを拠出してください。
このツールの使い方と計算の根拠
入力のコツ
年収は額面(賞与込み)を入れます。掛金は月額5,000円から1,000円単位で、上限は加入区分で違います。 企業型DCがある会社員は上限が2万円になるうえ、会社の規約でiDeCoとの併用が制限されていることがあるので、まず人事に確認してください。
節税額の計算式
iDeCoの掛金は全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得から引かれます。節税額は 掛金の年額 ×(所得税率+復興特別所得税+住民税10%)で、所得税率は課税所得によって5〜45%の累進です。 本ツールは手取り計算と同じ手順で課税所得を求め、掛金を控除した場合と控除しない場合の税額の差を「節税額」として表示しています。 年収が高く所得税率が高い人ほど、同じ掛金でも節税額が大きくなります。
iDeCoにかかる3つのコスト
- 加入時手数料:国民年金基金連合会に2,829円(初回のみ)
- 毎月の手数料:国民年金基金連合会105円+事務委託先金融機関66円=171円が最低ライン。運営管理機関(証券会社・銀行)の手数料は0円のところと数百円のところがあり、これは選び方で差が出ます
- 信託報酬:選んだ投資信託の運用コスト。年0.1%台のインデックスファンドを選べば長期ではほぼ無視できます
月5,000円の最低額で拠出すると、171円の手数料は掛金の3.4%に相当します。節税額(所得税率10%+住民税10%なら年12,000円)のほうが大きいので損にはなりませんが、 掛金が少ない人ほど手数料0円の運営管理機関を選ぶ意味が大きくなります。
間違えやすい点
- 所得税を払っていない人は節税額がゼロ:専業主婦(夫)や年収160万円以下のパートは、掛金を出しても税金が減りません。運用益非課税のメリットは残りますが、流動性のあるNISAを優先したほうが合理的です
- 受け取るときは課税対象:一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象になります。控除枠を超えると課税されるので、退職金が多い人は受け取り方の設計が必要です。iDeCoとNISAの使い分けで解説しています
- 年末調整または確定申告が必要:会社員は10〜11月に届く「小規模企業共済等掛金払込証明書」を年末調整で提出しないと、節税は受けられません
この計算をどう検証しているかは運営者情報の「検証方法」に書いています。
よくある質問
iDeCoで税金はいくら安くなりますか?
「掛金の年額 ×(所得税率+住民税率10%)」がおおよその節税額です。年収500万円の会社員が月23,000円(年27.6万円)を拠出すると、年間約5.5万円の節税になります。所得税率が高い人ほど効果は大きく、年収900万円なら同じ掛金で年約9万円の節税です。
掛金の上限はいくらですか?
職業によって異なります。自営業・フリーランスは月68,000円、企業年金のない会社員は月23,000円、企業年金のある会社員と公務員は月20,000円、専業主婦(夫)は月23,000円です。掛金は月5,000円から1,000円単位で設定でき、年1回変更できます。
専業主婦(夫)でもiDeCoに入る意味はありますか?
所得がない場合、所得控除による節税効果はありません。ただし運用益が非課税になるメリットと、受取時の退職所得控除は使えます。節税目的なら、収入のある配偶者側の掛金を優先するのが合理的です。
NISAとiDeCoはどちらを優先すべきですか?
節税の確実性ではiDeCoが上です。掛金の所得控除は運用成績に関係なく確実に受けられ、実質利回りに換算すると年10〜20%相当の効果になります。ただしiDeCoは60歳まで引き出せません。近い将来使う可能性のあるお金はNISA、老後まで触らないお金はiDeCo、という使い分けが基本です。
受け取るときに税金はかかりませんか?
受取時は課税対象ですが、一時金なら退職所得控除、年金形式なら公的年金等控除が使えます。拠出時に全額控除・運用中非課税・受取時も大きな控除、という三段階の優遇です。ただし会社の退職金と同時期に受け取ると控除枠を共有するため、受け取り時期の設計は重要です。詳しくは退職金の手取り計算で確認できます。