年収600万円のふるさと納税について
年収600万円の上限額は独身・共働きで77,000円です。所得税率10%の区分に入るため、同じ住民税所得割でも上限は年収500万円以下の層より伸びやすくなります(上限の式の分母「90%−所得税率×1.021」が小さくなるため)。返礼品は約23,100円相当、実質の得は約21,100円です。
この年収帯は住宅ローン控除・iDeCo・生命保険料控除を使っている人が多く、それらは住民税所得割を減らすので上限も下がります。下の「上限が減る要因」の表に、住民税から引かれる住宅ローン控除が3万・5万・9万7,500円の場合と、iDeCoを会社員の上限(月23,000円)で拠出した場合の上限を載せています。
年収600万円のふるさと納税で知っておきたい数字
年収600万円のときにだけ当てはまる数字を、上の計算から書き出したものです。
- 上限77,000円のうち控除されるのは75,000円(自己負担2,000円を除いた額)。返礼品の目安は寄付額の3割で約23,100円相当、自己負担との差額約21,100円が実質の得です。
- 上限を決めているのは住民税所得割302,300円の20%=60,460円(特例分の枠)。所得税率10%なので、上限=60,460円÷(90%−10%×1.021)+2,000円=77,000円(千円未満切り捨て)です。
- 77,000円を寄付して確定申告した場合の内訳は、所得税からの還付7,657円(申告した年の3〜5月に振込)、住民税の基本分7,500円、住民税の特例分59,843円。住民税分は翌年6月から1年間、毎月の天引きが約5,612円減る形で戻ります。
- ワンストップ特例(寄付先5自治体以内・確定申告不要の給与所得者)を使うと、所得税分も住民税から引かれて翌年6月からの住民税が月約6,250円減ります。上限77,000円を5自治体で分けると1自治体あたり平均15,400円です。
- 上限を1万円超えて87,000円寄付すると自己負担は9,362円(超えた1万円のうち74%が自己負担)、5万円超えて127,000円なら41,278円になります。超過分には基本分10%と所得税率分しか控除が付かないためです。
- 住民税から引かれる住宅ローン控除があると所得割が減り、上限は控除額3万円で70,000円、5万円で65,000円、上限の97,500円(課税総所得の5%が上限)で53,000円になります。住民税から引かれる額が1万円増えるごとに上限が約2,507円ずつ下がる計算です。
- iDeCoを会社員の上限(月23,000円・年276,000円)で拠出すると課税所得が減り、上限は70,000円(7,000円減)。一方でiDeCo自体の節税額は年約55,780円なので、上限の減少より節税の方が大きい関係です。医療費控除10万円なら上限は75,000円です。
- 同じ年収600万円でも、賞与が年2回・計4か月分あると社会保険料の計算が変わり上限は77,000円、45歳(介護保険料あり)なら76,000円です。77,000円との差は最大1,000円なので、上限ぎりぎりまで寄付するなら自分の条件でシミュレーターを使ってください。
- 年収が600万円から650万円に上がると上限は86,000円(9,000円増)。年の途中で収入が確定していないうちは、上限77,000円の8〜9割にあたる61,000〜69,000円で見積もると超過を避けられます。
- 配偶者を扶養していると上限は69,000円(独身より8,000円少ない)、さらに高校生の子1人で61,000円、大学生の子1人で54,000円。配偶者控除・扶養控除で住民税所得割が302,300円から269,300円に減るぶん上限も下がります(16歳未満の子どもは控除対象外なので上限に影響しません)。
よくある質問
年収600万円のふるさと納税の上限額はいくらですか?
独身・共働き(給与収入のみ・30歳・東京都・賞与なし)で約77,000円、配偶者を扶養している場合で約69,000円です。住民税の所得割302,300円と所得税率10%から計算した目安で、住宅ローン控除やiDeCoがあるとこれより少なくなります。
上限の77,000円を超えて寄付するとどうなりますか?
超えた分には住民税の特例分が付かず、基本分10%と所得税率10%分しか控除されません。年収600万円で上限を1万円超えて87,000円寄付すると、自己負担は2,000円ではなく9,362円になります。返礼品が寄付額の3割相当(1万円につき3,000円)なら超過分は差し引きで損になるので、年収600万円の見込みなら65,000円程度に抑えるのが安全です。
年収600万円でワンストップ特例は使えますか?
寄付先が5自治体以内で、確定申告をしない給与所得者なら使えます。年収600万円の上限77,000円を5自治体に分けるなら1自治体あたり平均15,400円で、寄付のたびに申請書を寄付先へ送り(翌年1月10日必着)、控除75,000円の全額が翌年6月からの住民税から引かれます(月約6,250円)。医療費控除などで確定申告をする年は、ふるさと納税も申告書に書く必要があります。
住宅ローン控除を受けています。年収600万円の上限はどう変わりますか?
所得税で引ききれず住民税から引かれている住宅ローン控除の額だけ所得割302,300円が減り、上限も下がります。住民税からの控除が5万円なら上限は約65,000円(12,000円減)、上限の97,500円なら約53,000円です。ワンストップ特例を使うと、ふるさと納税の控除が所得税側に立たないので、所得税の住宅ローン控除の枠を圧迫しません。
年収600万円の寄付はいつまでにすればよいですか?
その年の1月1日から12月31日までに決済(受領)された寄付が、その年の所得に対する控除の対象です。年収600万円の上限77,000円を年末にまとめて寄付する場合、自治体の受付や決済の反映に時間がかかることがあるので、12月中旬までに済ませるのが確実です。ワンストップ特例の申請書は翌年1月10日必着です。