公開:2026年9月6日 執筆:もりそん 計算の根拠:計算根拠・出典一覧
失業保険(正式には雇用保険の基本手当)は「月給の6〜8割」と説明されることが多いのですが、実際には年齢別の上限があり、月給40万円以上の人は上限で頭打ちになります。 また、いつから・何日分もらえるかは離職理由と加入期間で大きく変わります。この記事では、給付額が決まる3ステップと日数・時期のルールを整理します。 自分の金額は失業保険の給付額計算で試算できます。
結論:賃金日額×給付率(50〜80%)×所定給付日数
- 賃金日額=離職前6か月に支払われた賃金(賞与を除く)の合計÷180
- 基本手当日額=賃金日額×給付率。給付率は賃金日額が低いほど高く(80%)、高いほど低く(50%。60〜64歳は45%)なる。年齢別の上限額あり
- 受給総額=基本手当日額×所定給付日数(90〜330日)
たとえば月給30万円(賞与除く)・35歳の人の賃金日額は10,000円。給付率は約63%で基本手当日額は約6,300円、月換算で約19万円です。 月給50万円なら賃金日額16,667円ですが、30〜44歳の基本手当日額の上限(8,270円・令和8年8月改定)で頭打ちになり、月換算約24.8万円が最大です。
賃金日額に入るもの・入らないもの
- 入る:基本給、残業手当、通勤手当、住宅手当、家族手当など毎月支払われる賃金。離職票の「賃金支払基礎日数」が11日以上ある月を6か月分数える
- 入らない:賞与(3か月を超える期間ごとに支払われるもの)、退職金、臨時の手当
- 賃金日額にも年齢別の上限・下限があり、毎年8月1日に改定される
残業が多かった6か月は賃金日額が上がるので、退職の直前半年の働き方が給付額に影響します。逆に休職で無給の月があると、その月は「11日以上」を満たさず、さらに前の月が使われます。
所定給付日数:離職理由と加入期間で決まる
自己都合・定年など(一般の離職者)
| 雇用保険の加入期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 1年未満 | 受給資格なし(離職前2年間に12か月以上の加入が必要) |
| 1年以上10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合(特定受給資格者)・正当な理由のある自己都合(特定理由離職者)
| 離職時の年齢 | 1年未満 | 1〜5年 | 5〜10年 | 10〜20年 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
| 30〜34歳 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35〜44歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45〜59歳 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60〜64歳 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
会社都合なら受給資格の条件も「離職前1年間に6か月以上」に緩和され、給付制限もありません。 離職票の理由が「自己都合」でも、残業が月45時間を超える月が3か月続いた、賃金が85%未満に下がった、ハラスメントがあった、といった場合は特定受給資格者に当たる可能性があるので、ハローワークで異議を申し出る価値があります。 会社都合と自己都合の違いは姉妹サイトの会社都合退職と自己都合退職の違いで詳しく解説しています。
いつからもらえるか:待期7日+給付制限
- 待期期間7日:離職理由を問わず、ハローワークで求職の申込みをしてから7日間は支給されない
- 給付制限:自己都合は待期の後さらに原則1か月(2025年4月改正。以前は2か月)。5年間に3回以上の自己都合離職は3か月。離職前1年以内に教育訓練を受けた人は給付制限なし
- 認定日:4週間に1回、求職活動の実績(原則2回以上)を報告し、認定された日数分が約1週間後に振り込まれる
離職票が届くまでの日数(退職後10日〜2週間)も含めると、自己都合なら最初の入金は離職から約2.5〜3か月後、会社都合なら約1.5か月後です。 資金計画の立て方は姉妹サイトの失業保険はいつから入金されるかにまとめています。
知らないと損する3つのルール
- 受給期間は離職の翌日から1年:給付日数が残っていても1年を過ぎると打ち切り。手続きの遅れは受給日数を減らす
- 病気・けが・妊娠・介護で働けない期間は受給期間を延長できる(最長3年、合計4年)。傷病手当金を受けている間は失業保険を受けられないので、先に延長を申請する(傷病手当金の受け取り方)
- 再就職手当:所定給付日数の3分の1以上を残して就職すると残日数の60%、3分の2以上なら70%が一括支給。給付を使い切るまで待つより、早く就職したほうが総額で有利なことが多い
受給中の税金・保険料
基本手当は非課税で、所得税・住民税の対象になりません。ただし健康保険の扶養に入る判定では収入として数えられ、基本手当日額が3,612円以上(60歳以上・障害者は5,000円以上)だと配偶者の扶養に入れません。 受給中の国民健康保険・国民年金の保険料は自分で払います。会社都合の離職なら国民健康保険料の軽減(前年給与所得を30%として計算)を受けられるので、離職票を持って自治体で申請してください。 退職後の保険・年金・住民税の手続きは住民税の支払い時期と社会保険料の決まり方もあわせて確認してください。
収入が減る期間は、固定費と保険を先に見直すPR
失業手当は在職中の給与の50〜80%で、受け取りが始まるまでに待期と給付制限もあります。この期間は保険料などの固定費を見直す機会です。みんなの生命保険アドバイザーは、今の保険が収入に見合っているかを無料で相談できます。
よくある質問
失業保険は月給の何割もらえますか?
離職前6か月の賃金(賞与除く)÷180の「賃金日額」に、50〜80%の給付率をかけた額が1日分です。給付率は賃金が低い人ほど高く、月給20万円程度なら約80%、月給40万円なら約50%が目安です。さらに年齢別の上限があり、30〜44歳では基本手当日額8,270円(月換算約24.8万円)が最大です。
自己都合で辞めると、いつから失業保険がもらえますか?
ハローワークで求職の申込みをしてから待期7日、その後に給付制限が原則1か月(2025年4月以降)あり、最初の認定日を経て振り込まれます。離職票が届くまでの期間も含めると、離職から約2.5〜3か月後が最初の入金の目安です。会社都合なら給付制限がなく、約1.5か月後です。
失業保険に税金はかかりますか?
基本手当は非課税で、所得税・住民税はかかりません。ただし健康保険の扶養に入る判定では収入として扱われ、基本手当日額が3,612円以上あると配偶者の扶養に入れません。受給中の国民健康保険・国民年金の保険料は自分で払う必要があります。